黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)

黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)

2019-05-03

黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術について

黒色色素性母斑(黒あざ)とは

皮膚にある黒い色をしたあざは、正式には、母斑細胞性母斑(ぼはんさいぼうせいぼはん)と呼ばれます。小型のものは黒子(ホクロ)、大きいものは 黒アザと も言われます。頭の先から足の先まで、全身どこにでもできる可能性があります。

形や大きさは、皮膚の表面と同じに平らなものから隆起したもの、その上に毛 が密集したものなど様々です。こうした黒アザの中には希に悪性のものもありますから、一度お早めに診察を受けておくとよいでしょう。

小 さなほくろは、レーザー治療で治すことができますが、ある程度の大きさになると手術で取り除いた方が良いでしょう。また、手術で取り除いた組織は、全症例 において病理検査によって詳しく調べます。

黒色色素性母斑(黒あざ)摘出手術の詳細について

1.単純縫縮術:(SIMPLE EXCISION)

できものや母斑を1回の手術で取り除く方法のことを言います。大きさが小さい、幅が広くない、皮膚に余裕があるなど状態によって行います。また、​縫合時の創部への緊張や皮膚の余裕などの計算を緻密に行いながら、母斑を取り除いていき、状態によってはZ形成術なども考えていきます。

〇母斑の幅が比較的少なく、皮膚に余裕があるため1回で取り切れると判断しました。

〇デザインは、母斑の辺縁から約1~2mm話して、ややS字状になるようにしています。

〇母斑を切除して、中心部にZ形成術を行い、縫合部にかかるテンションを下げるように縫合を行いました。

2.分割縫縮術:(SERIAL EXCISION)について

幅 の広い母斑・幅の広い刺青・幅の広いキズアトなど1回で取り除くことができない場合、6ヶ月以上の期間をおいて数回に 分割して取り除く手術のこと を言います。1回の手術で、正常な皮膚を引き寄せて無理がなく緊張しない程度の範囲のみを取り除くことがポイントになります。部位によって2回目以降の手 術は、6ヶ月から1年程度間隔をあけて行います。

〇1回手術:まず、約2/3の色素性母斑を切除します。

 〇2回目手術:約6ヶ月後に残った色素性母斑を完全切除します。

残った母斑をZ状に切除するためのデザインを行いました。

皮膚を仮縫いして縫合位置の調整を行います。

皮下縫合を行いきっちりと縫合部を寄せます。

皮膚縫合を行いシリコンチューブドレーンを挿入する。ハイドロコロイドゲルテープによる潤い療法を行う。

丁寧な診察とシミュレーション

​ 手術を行う前には、ご希望の状態に向けての丁寧なカウンセリングを行います。腫瘍の状況を判断して最適の手術法を検討します。

病理検査(びょうりけんさ、pathological examination)

手術で切除した腫瘍は、ほぼ全例に病理医に依頼して病理検査と呼ばれる顕微鏡等を用いた詳しい細胞の診断をしてもらいます。病理検査では、腫瘍細胞の性状や良性悪性の有無、浸潤している深さ、取り切れているかどうかなどの判断を行ってもらいます。術後10日前後で、病理検査の結果をお話できると思います。

黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術のダウンタイムやリスクなどについて

【施術時間】40分ほどで終了します。
【麻酔】局所麻酔で行います。
【腫れ・傷跡】個人差はありますが、数日間程度は腫れが出ます。切開した傷跡は、手術後6ヶ月程で腫れも治まり目立たなくなります。個人差により肥厚性瘢痕やケロイドが起ることもあります。
【通院】翌日にドレーン抜去や5日目に抜糸があります。
【お薬】内服薬や外用薬を処方します。
【メイク】翌日より可能。
【洗顔・シャワー・入浴】創部を濡らさないようにシャワーは当日より可能。
【運動】抜糸が終了するまでお控えください。

黒色色素性母斑(黒あざ)摘出術の料金について

皮膚・皮下良性腫瘍摘出手術では、腫瘍の大きさと部位によって以下の診療報酬点数が定められています(平成28年度診療報酬点数)

上記に初診料、再診料、血液検査料、病理組織検査料、画像診断料(検査センターに外部委託)、薬代、予約料(1100円税込)などが別に必要となります。

※この治療メニューは公的医療保険が適用されます。

術後の起りうる合併症について

1.術後の痛み:手術後、局所麻酔は約30分ぐらいで切れてきますので、その後から軽い痛みを伴うことがあります。もし、痛みが気になるようでしたら我慢することなく痛み止めをお飲みください。痛み止めは1錠服用しましたら、次の服用までに3時間以上は間隔をあけてください。

2.出血:手術創の大きさを考慮しながら、シリコン製のドレーンと呼ばれる管を留置しているためガーゼが少し滲む程度の出血は認められます。ドレーンは、創部の皮下に血液が溜まらないように排出させる目的で使用します。この管は、血液の排出状態により翌日ないし翌々日に抜去します。(ドレーンを使用しない場合もあります。)

3.血腫:術後から抜糸までの間に手術創の中に血液の固まり(血腫)ができることがあります。このような場合には、局所麻酔を行い、出血部位の止血と血腫の洗浄を行います。その後、再度創の縫合とドレーーンを留置しガーゼで圧迫を行います。この時点から順調に経過すれば抜糸まではさらに5日必要になります。

4.感染:創部にばい菌が入り感染を起こすと痛みと膿が出てきます。このような場合には、医療用の生理食塩水を使用して創部とばい菌に溜まっている部分を毎日洗浄して清潔を保ちます。感染の消退には、一週間程度必要な場合もあります。

5.漿液腫:手術後2週間ぐらいまでの間に、手術創の中に自分の体液(黄色い液)が溜まることがあります。このような場合には、再度シリコンドレーンを貯留している部分に挿入し排液が止まるまでガーゼによる圧迫を行います。

6.皮膚壊死:血腫・感染・漿液腫などの結果としての皮膚壊死を認めることがあります。皮膚壊死の状況に応じて必要な処置を追加していきます。

7.ケロイド・肥厚性瘢痕:体質による個人差や手術部位によって、手術後2~6ケ月の間は手術創の赤みや硬結・色素沈着などを生じます。これらの症状は、リザベンや漢方薬の内服により、徐々に改善しますが手術による線状瘢痕は残ります。ケロイドについては、さらにケナコルト局所注射や外用薬などを追加した治療が必要となります。形成外科では、この線状瘢痕をシワのラインに残すことでよりできる限り目立ちにくくすることを考慮して治療をしています。

このような合併症を予防するためには、創部の安静が重要なため事前に説明を行った生活上の制約はお守りくださるようお願いいたします。


未成年者(18歳未満)の方は、必ず保護者同伴の上、同意書に本人及び親権者のサインが必要になります。

未成年者とは、民法改正に伴い、2022年4月1日以降は、施術同意書にサインをする日(施術日、カウンセリング日)の時点で、18歳未満の方となります。

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