背中の粉瘤(アテローム)除去について/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
愛知県名古屋市中区栄のベテラン形成外科専門医:西山 智広
背中の粉瘤(アテローム)除去について
粉瘤は、全身のどこにでもできる良性のできものです。 大きさは、腕豆大~鶏卵大で半球上に隆起し、弾性硬の皮内腫瘤で大きいときは波動を呈することもあります。毛穴が何らかの原因でつまり、皮脂や垢などが皮膚の袋の中に貯まっていきます。
何度も繰り返し炎症を起こした粉瘤は、周囲組織との癒着が強いので、切開して確実に取り除ききっちりと縫合する方法で行うしか方法はありません。
粉瘤は、垢や汗、皮脂分泌物の塊りなので時として臭いがキツイのが特徴です。表面を手でこすっただけでもその匂い手にこびりつきます。勿論、手術で取り出す時にも臭いはあります。
1:皮膚切開のデザインと局所麻酔
粉瘤の閉塞部である黒い点を特定して、その部分を含めて皮膚を紡錘形に切開するデザインを行います。全体的な大きさのマーキングも同時に行います。
2:粉瘤(アテローム)摘出
粉瘤は被膜に包まれてできているので、被膜を破らないように慎重に剥離を進めていきます。しかし、炎症を繰り返している場合には、袋は一部溶けていてはっきりしない部分もありますので範囲を予測して取り残しが無いように一回り大きめに切除を行います。除去が終わったら、生食で創部をよく洗浄して綺麗にします。
3:皮下縫合
粉瘤を取り除いたら、次はクリア吸収糸による皮下縫合を行います。皮下縫合は傷跡があとで広がるのを防止することと、皮膚縫合糸を早く抜糸できるというメリットがあります。基本的には、皮下縫合糸は時間が経つと溶けてしまいます。
4:ドッグイヤー(Dog-ear)の処理
皮膚腫瘍を取り除く際、皮膚を紡錘形に切り取りそのまま皮膚を縫い縮めようとすると、その両端の皮膚が持ち上がって余ります。この外観が犬の耳に似ていることから、ドッグ・イヤーと呼ばれます。手術時にこの処理が不十分であると、両端の盛り上がりが残ったままになります。この修正を行うことにより、切開線はしわに沿って長軸方向に延長されキレイになります。
5:皮膚縫合とドレーン留置
皮膚表面は、黒いナイロン糸で皮膚を絞めすぎないようい軽く縫合し、更に縫合部の下に血液などが貯留しないようにシリコン製排液ドレーンを挿入します。
6.手術痕のフォローアップ
手術痕は、体質や個人差もございますが、肌色のスキントーンテープを使った皮膚固定や内服薬による傷跡の赤みや硬さの軽減など約半年間の治療をおこなうことで最小限にすることができます。
当クリニックでは、皮膚皮下腫瘍摘出手術は、局所麻酔の日帰り手術で取り除くことができます。形成外科では、手術を多く手掛けているため、できる限りキズアトが目立たなくなるように慎重に治療を行います。