ケナコルA注射療法(ケロイド・肥厚性瘢痕・炎症性疾患)/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
2015-04-16
ケナコルト(ステロイド)局部注射
ケナコルトAという副腎皮質ステロイド「トリアムシノロンアセトニド」をケロイド内に直接注射する治療方法です。この治療は1週間に1回10mgまで健康保険の適応となります。
ケナコルトA注射後、数日から数週間で効果が現れます。1ヶ月に数回、ケロイドの症状を見ながら繰り返し注射します。特にケロイドの硬み、痒み、盛り上がりの治療に効果的ですが治療が痛いという欠点を伴うため、痛みを少しでも緩和するために、キシロカインE入り局所麻酔剤に混ぜて局所注射を行います。
ケナコルトAには、
1.ケナコルト−A筋注用関節腔内用水懸注40mg
2.ケナコルト−A皮内用関節腔内用水懸注50mg
の2種類があります。
ケロイドや肥厚性瘢痕に用いるのは皮内用のケナコルトAとなります。
治療効果は非常に強力ですが、効果が強すぎるとケロイドの周囲がくぼんだり、血管拡張、周囲に毛包炎などが起こることもあります。そのため、注入量、注入回数には慎重に治療を行う必要があります。
注意事項:妊娠中、授乳中の患者様、糖尿病をお持ちの患者様、高血圧をお持ちの方、感染症をお持ちの患者様な、ケナコルトに対する過敏症をお持ちの患者様は予め医師にご相談ください。
顔のケロイド 好発部位は、主に左右の頬下のアゴ部分と耳垂・耳介。
ニキビケロイド
下顎、前胸部、肩、背中の部分は、ニキビや毛庖炎、手術痕が原因で体質により赤く盛り上がってくることが多いのです。患者様の中には、この部分のにきびがなかなか治らないと言って来院される方も見えます。下顎部分のケロイドは、化粧をしてもなかなか隠すことが難しく、時と して引きつり感や痛み、痒みなどの症状を伴います。
治療のゴールは、ケロイドの平坦化および白色化ですが、人によっては長期の治療となることがあります。ステロド注射は頻回に打つものではありませんが、確実にケロイド内に注入しないと効果が上がりません。また、ケロイドがすごく硬いと注射液が入るときに一瞬痛みがあるのが難点です。この痛みはケロイドが軟化するとかなり軽減ざれます。
耳 垂・耳介は、ピアスによるものが一番多い傾向にあります。
ケロイドの状態が少し落ち着いており白色化しかけている場合には、すぐに形成外科手術で取り除き ます。しかしケロイドの赤みが強くパーンと張って固い場合には、ステロイド注射とトラニラスト・漢方薬の内服、ステロイド外用薬を約1~2ヶ月間行った後 に形成外科手術でケロイドを摘出します。
いずれも手術後は、同様に内服薬処方とテーピングを6ヶ月~1年ぐらい必要になります。体質によっては、手術をし ても再発してしまうこともありますのでご留意下さい。
※この治療は公的保険の適応となります。