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2017年08月15日
ケロイド ・肥厚性瘢痕には好発部位があるので詳しく説明をします。
ケロイドと肥厚性瘢痕の大きな違いは、キズアトの範囲に留まるか(肥厚性瘢痕)、範囲を超えて進行するか(ケロイド)ということです。通常は皮膚にキズができた場合、半年ぐらいで徐々に白いキズアトになっていく場合がほとんどです。この経過の途中にキズアトが赤く盛り上がってきたら、それは要注意です。
ケロイドか肥厚性瘢痕かの区別は、病理学的にも臨床的にも判断は難しいのですが基本的な治療のスタートは同じですから、キズアトがなかなか治らないと思ったら、早めにに専門の形成外科を受診して治療を行うほうが良いでしょう。
ケロイド・肥厚性瘢痕の好発部位は、顔では主に口唇周囲とアゴ、耳垂、耳介部分、身体では前胸部、肩、上腕、下腹部などです。ケロイド・肥厚性瘢痕治療のゴールは、ケロイドの平坦化および白色化ですが、体質の強さによる個人差があるため長期の治療となることも予測されます。
治療の基本は、
1.トラニラスト・柴苓湯漢方薬の内服
2.ステロイド外用薬
3.ヘパリン類似物質外用薬
4.ケナコルト皮内用注射(ステロイド)
5.手術による摘出術
です。
トラニラスト・柴苓湯は、ケロイド・肥厚性瘢痕に効果のある保険適応の優れた内服薬で、ステロイドの外用薬もデイリーなケアとしてはとても必須のアイテムとなります。この中でケナコルト皮内用注射はステロイドを配合しているため、頻回に注射するのではなくケロイドの状態を見ながら間隔調整をする必要があることと、1回ごとに確実にケロイド内に注入する必要があります。当クリニックでは、硬いケロイド内に注射液が入るときの一瞬痛みを防ぐために局所麻酔薬を混ぜて施術を行います。
部位や大きさにより適応は様々ですが、ケロイドの赤みが強くパーンと張って固い場合には上記治療を約3~6ヶ月間行った後、形成外科手術でケロイドを摘出することも考えます。ケロイドの状態が落ち着いて白色化している場合には、すぐに形成外科手術で取り除くことの検討も念頭に治療を行います。強い体質の場合には、手術をしても再発する可能性もありますのでご留意下さい。
下顎や耳のケロイド
ニキビや毛庖炎、手術痕、ぴあすによる原因などがあり、体質の強さにより赤く盛り上がる程度にも差があります。特に下顎は、にきびとの区別がつかなくて、なかなか治らないと来院される患者様も多く見えます。ケロイド部分は、化粧をしてもなかなか隠すことが難しく、時として引きつり感や痛み、痒みなどの症状を伴います。
胸元のケロイド
前胸部のケロイドは、胸の中央部に小さなにきびができた後、粉瘤などの小手術、心臓外科手術痕などが徐々に大きくなり、赤い盛り上がってきます。最初は小さいのでニキビと区別がつかないので治療をせずにいると、蝶の形をしたおおきなきずあとになってしまうこともあります。このようになると胸の開いた服を着たくても着れなかったり、痛みや痒み、突っ張ったりなどの症状も伴うのでとても不快に感じておられる患者様が多いのです。
肩・上腕のケロイド
肩や上腕のものは予防接種の針傷や刺青除去・皮膚腫瘍摘出術などの小手術、ニキビの化膿などが原因となることが多いのです。やはり夏は、ケロイドが気になってノースリーブの服や水着が着れないといわれる方が多いです。
下腹部のケロイド
下腹部のケロイドは、帝王切開(縦切開)、婦人科系の手術(横切開)、腹腔鏡の手術痕、毛穴の炎症(毛嚢炎)も原因となることもあります。
お尻・太もものケロイド
お尻と太もものケロイドは、火傷、毛嚢炎による炎症、小手術による手術痕、脂肪吸引による手術痕などが原因となることもあります。
ケロイド・肥厚性瘢痕でお困りの方は下記のクリニックにお気軽にご相談ください。
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